骨や関節、粘膜まで診察・治療いたします
口腔外科は骨や関節、粘膜までを対象にした、外科処置と治療がメインの専門領域です。
親知らず

親知らずは1番前の歯を1として、奥歯の方向に数えて8番目ににある歯のことです。通常の永久歯は18歳で生え揃いますが、親知らずは20歳前後に遅れて生えてきます。
親知らずは通常だと上下左右の4本が生えてきますが、他の永久歯がある影響で生えてくるスペースに十分な余裕がなく、まっすぐ生えずに埋伏歯(横に生えた状態)になってしまう、そもそも生えてこない、生えてきても歯の頭部分が少しだけ出てくるなど、個人差があります。

埋伏歯や、隣の歯にもたれかかるようにして生えた親知らずは、隣の歯への虫歯の負担になる他、歯みがきが行き届かず虫歯にもなりやすいです。
親知らずの抜歯は一般的な歯科治療で行われますが、横向きに生えている場合や、処置の際に大量の出血が予想される場合など、通常の抜歯方法では難しいこともあります。複雑でリスクが大きい親知らずの抜歯は口腔外科による適切な処置が必要になります。
当院では口腔外科の経験を活かし、埋伏歯の適切な抜歯を行っております。親知らずなどの埋伏歯で気になる方はぜひご相談ください。
歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは無意識に生じることが多く、特に睡眠時は自分で意識的にやめることができません。
歯ぎしりは歯がすり減る以外にも、知覚過敏の進行や詰め物・被せ物の破損、歯周病の悪化などのリスクを伴います。
食いしばりは体重の数倍の力が歯に加わるともいわれ、過度の負担により歯周組織へダメージとなり、歯周病を進行させてしまうリスクがあります。また、食いしばりが原因で歯が割れてしまうこともあり、大きな治療が必要となる場合があります。
そしてこれら2つの症状は、歯や周辺組織へのダメージだけでなく、肩こりや顎関節症、頭痛なども引き起こします。

歯ぎしり・食いしばりの主な原因は、強いストレスによるものといわれています。無意識に歯を食いしばっていることがある方は、意識的に自分が食いしばっていないか気にかけてみましょう。
いっぽう、歯ぎしりは就寝中に行ってしまうことが多いため、歯ぎしり用のマウスピースをつけることが効果的です。マウスピースを付けることで上下の歯がすり減ったり、特定の歯に過大な力がかかりすぎないように保護します。
- 歯がすり減っている
- 虫歯はないのに歯がしみる
- 歯ぎしりを指摘された
このような症状で気になっている方は、お気軽にご相談ください。
顎関節症

顎の関節が痛い、ガコッとした音が鳴る、開けづらいなど、顎の関節や周囲の筋、組織に異常がある状態です。左右均等に咬合していないなど、顎に無理な力がかかっていることがあります。
スマートフォンやパソコン作業など、何かに集中している際に無意識的に歯を食いしばってしまうことがあります。食いしばりは体重の数倍の力が歯に加わるため、顎関節症や歯の痛みなどの原因になるといわれています。
まずは食いしばっていないか意識することが顎関節症予防になります。それでも改善されない場合は、薬やスプリントと呼ばれるマウスピースのような装置を口の中に装着した口腔外科の治療を行います。その他、顎関節症の予防や治療に関してはお気軽にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなることで体の低酸素状態が発生する病気です。
- 周囲の方からいびきを指摘される
- 夜間の睡眠中によく目が覚める
- 起床時に頭痛や体にだるさを感じる
- 日中に眠気を感じやすい
このような症状がある方は睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられます。
この症状は慢性的なストレスを与えるため、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの虚血性肺疾患の発生のリスクを高める可能性があります。また、糖尿病などと合併する可能性もあるため、命にかかわる場合があります。
たかがいびきと思わずに早めの診察と治療をお勧めいたします。
◆睡眠時無呼吸症候群の治療
主なものはマウスピース(OA)とCPAPです。
マウスピース: 睡眠時に下顎を挙上し、受け口の位置で閉じる状態を維持することで、気道が閉塞するのを防ぎます。
CPAP: 睡眠時に専用の装置で鼻から気道へと圧力をかけた空気を送り込むことにより気道を広げ、寝ている間に気道を塞がずに呼吸が維持されるようにする方法です。
医師から睡眠時無呼吸症候群によるマウスピース治療が必要という診断を受けた場合、作製依頼の紹介状をいただければ保険適用の装置を作製いたします。自由診療になりますが、口を完全に閉じることなく、より楽な状態で下顎を挙上できるソムノデント社のオーラルアプライアンスも取り扱っております。
口腔内装置作製後は、その装置が効果的に無呼吸や低呼吸の頻度を下げられているか、睡眠簡易検査の再検査をお勧めしています。当院でも簡易検査装置を取り扱っておりますのでご相談ください。
ドライマウス

ドライマウスとは、口腔内が乾燥している状態です。一概にドライマウスといっても原因がいくつもあり、それにより治療法が異なります。
- 糖尿病
- 更年期障害
- 服用している薬の副作用
- 口呼吸をしている
その他にも、ドライマウスは全身疾患のひとつの症状として口腔に表れることが多いです。当院では問診・触診のほか、口腔内診査や唾液量検査などを用いて複合する病因を特定していきます。
ドライアイ(乾燥性角結膜炎)を併発しているなら眼科医と、更年期障害なら婦人科医と連携して患者さんを診ていきます。ドライマウスの治療は歯科と医科の連携が非常に重要です。
ドライマウスはまだ不明なことが多く、専門家も少ないのが現状です。そのため自分の病気がドライマウスだとわかるまで、何年も悩み続けていた方もいらっしゃいます。
舌が痛い、ざらざらする、乾いたものが食べられない、味がよく分からなくなった、いくら調整しても入れ歯が合わない、常に口の乾きを感じるなどの症状があれば、それはドライマウスかもしれません。無理をせず、お気軽にご相談ください。
歯根端切除・意図的再植(歯内療法外科)
歯内療法外科は精密根管治療における外科的処置のひとつです。
虫歯や外傷で歯の中の根管が感染し、歯根の先に病巣ができて歯茎が腫れたり、痛みがある場合、まずは根管治療(根管内を清掃して消毒薬を入れる)による治療を行います。
しかし根管治療を行っても治癒の傾向が見られない、または根管治療自体ができない場合は、歯を温存するための処置として外科的に歯根の先端と周囲を取り除く治療を行います。これが歯根端切除です。
歯根端切除が難しい歯の場合、意図的再植を選択することがあります。一旦歯を抜き、患者さんに保管していただきます。その後、歯の感染しているところを口腔外で処置して抜歯し、そこに抜いた歯を再度埋めて戻す方法です。歯の長さは短くなりますが、感染が除去できて定着すれば、数ヶ月後には咀嚼できるまでに安定して回復することが多いです(歯がそのまま割れずに脱臼できる歯であることが必要です)。
インプラント

インプラントは歯を失った部位の顎骨に、人工歯根を埋め込む歯科治療方法です。顎骨に人工歯根を植えることにより、自分の歯のように食べ物をかめるようになり、自分の歯と同じ感覚を取り戻すことができます。
インプラントを適応できるかは、歯や顎の状態をはじめ、全身疾患の有無などによって判断されます。
口の怪我や顎の骨折など
骨折の治療というと整形外科を思い浮かべがちですが、顎の骨の骨折は口腔外科で治療を行います。
交通事故や作業事故、スポーツなどでの口唇の裂傷、歯や顎の骨が折れてしまった、歯が脱臼してしまったという場合は当院へお越しください。適切な対処と治療をいたします。
重症の歯周病
歯周病の基本的な予防と治療は、歯周病の原因である細菌を取り除くプラークコントロールや歯石除去です。こうした治療は一般の歯科医院でもできますが、進行した重度の歯周病の場合、歯石が歯根の奥のほうまで付着している場合があります。通常の歯石除去では取り除くことができず、基本治療の後にフラップ手術という口腔外科での手術が必要になることがあります。
口内炎・口腔がん
口腔がんは、がん全体の1~2%しかなく、他臓器のがんに比べて情報が少ないのが現状です。なかなか口内炎が治らないと思ったら口腔がんだったということもあります。
単純な口内炎は1~2週間で患部は一旦治癒することが多いです。もし「できもの・口内炎」と思われる症状が2週間以上続く場合は医師・歯科医師にご相談ください。
口の中は鏡で確認しやすい場所ですが、「そのうち治るだろう」と放置をされて発見が遅れがちです。そのため異常に気付いているのにもかかわらず、病状が悪化してから治療される方も多くいらっしゃいます。逆に口の中を毎日調べるのも精神的に苦しいと思います。ご心配なことがございましたら、遠慮なくご相談ください。
当院ではレーザーで口内炎を焼灼する治療は行っておりません。悪性である場合に、一時的に局所がレーザー照射で変性してしまうと正しい診断ができなくなってしまい、腫瘍が増大してから発見されるおそれがあります。経過観察して治癒が遅いと判断される場合は、細胞診や生検など病理診断ができる医療機関に紹介させていただくことがございます。
